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プレオープン版
リスペル図書館とは?
喜劇、悲劇。ミステリーやファンタジー。青春物語に群像劇。
ありとあらゆる世界には、それこそ数えきれないほどの物語が存在する。
失われた物語も、また。
――ここは『リスペル図書館』。
どこの世界でもない、しかし、すべての世界にある集合的無意識の中に、
この図書館への扉がある。
この図書館には、今まさに失われそうになっている物語……
何らかの理由で破損してしまった本たちが、
今か今かと修繕の時を待っている。
君達は、そんな本を修繕する【修繕者】だ。
物語を守るため。図書館に貢献するため。
あるいは、自分の書架(コレクション)を肥やすため。
本の中に広がる世界へ入り込み、自らの手と足を以て物語を修繕する――
それが、君達の役目である。
キャラクターの作成
さて君はどんな性格で、どんな性質を持ち、何が得意で何が苦手なのか?
そういった君自身の情報は、
君の『イデアレコード』という本に全て記されている。
具体的にどのような事が書かれているのか、これから紐解いていこう。
Ⅰ イデア
【イデア】とは、人や物質の本質、魂を表すもの。
勿論、君も生まれながらに持っている性質だ。
『リスペル図書館』では、
【イデア】を火、風、水、土、空の5つに大別している。
君の性質はどれが一番近いだろうか?
最も近いと思うものを選ぶか、ダイスを振って決めてほしい。
火 力強さ、生命力、情熱を象徴する。
初期ステータス:HP 40 / CP 55 / AP 7
風 気楽さ、柔軟性、自由を象徴する。
初期ステータス:HP 35 / CP 55 / AP 9
水 優美さ、流動的、慈愛を象徴する。
初期ステータス:HP 35 / CP 65 / AP 4
土 堅牢さ、真面目、正義を象徴する。
初期ステータス:HP 45 / CP 60 / AP 2
空 空虚さ、時空間、神秘を象徴する。
初期ステータス:HP 30 / CP 70 / AP 5
さて、修繕者のステータスは【イデア】に紐づいている。
選んだ【イデア】の下に記載されている『初期ステータス』を参照し、
キャラクターのステータスに記載しよう。
HP(ヒットポイント)とは、キャラクターの体力、生命力に当たる。
0になると死亡してしまう。
CP(キャパシティポイント)とは、君が持つ『イデアレコード』の耐久力のようなものだ。
本の中で起こる様々な衝撃を、『イデアレコード』は肩代わりする。
本の中では、死亡ですらなかったことになるのだ。
しかし、『イデアレコード』もまた本である以上、破損してしまう可能性が常に付き纏っている。
そんな『イデアレコード』の状況を示したものがCPである。
CPが0になると、キャラクターはロストしてしまう。
AP(アクティブポイント)とは、キャラクターの俊敏性を表す数値だ。
戦闘や緊迫した状況下など、【行動】を行う順番を決めなければいけないとき、この値を比較することになる。
※なお、APが同値のNPCや敵がいる場合、プレイヤーを優先する。
プレイヤー同士が同値の場合、相談して決めるか、1d10を振り、出目が高い方を優先する。
Ⅱ カラー
【カラー】とは物語や【スクリプト】の特色であり、作中のガジェットや
ストーリーの内容を分類したもの。つま りは話のジャンルである。
『リスペル図書館』では、以下の【カラー】を取り扱っている。
君の得意/好きな【カラー】、逆に不得意/苦手な【カラー】は何だろう?
得意な【カラー】を2つ、苦手な【カラー】を1つ選んでほしい。
白 恋愛/ヒューマンドラマ
紫 ファンタジー
藍 SF
青 青春/学園
緑 ミリタリー/歴史
黄 コメディ
橙 アクション
赤 ミステリー
黒 ホラー/サスペンス
【カラー】は、当然、物語にも存在している。
その【カラー】が得意な【カラー】であれば有利に、苦手なものであれば不利になってしまうこともあるだろう。
また、これから【修繕者】として活動していく中で、得意な【カラー】が増えることがあるかもしれない。
しかし、得意なものとして選べる【カラー】は最大4つまでだ。
留意してほしい。
Ⅲ スクリプト
【スクリプト】とは、修繕者――君が扱うことが出来るスキルを指す。
君の得意な【カラー】に従い、【スクリプト】を記述してほしい。
君が得意としていない【カラー】の【スクリプト】は、
特定の【スクリプト】の効果以外では扱うことが出来ない。
また、【カラー】によって【スクリプト】の効果や使いやすさが大きく
異なるのも本システムの特徴だ。
【カラー】ごとの傾向は以下の通りである。
白 交渉やサポートなど、誰かに対して働きかける
紫 【魔法】を使える。戦闘内外で役に立つ
藍 様々な超能力を使える。サイボーグにもなれる
青 常時発動するバフが多い
緑 様々な【アイテム】を所持できる
黄 トリッキーなものが多い
橙 戦闘において右に出るものなし
赤 調査に強いサポート型。システムに干渉できる
黒 ハイリスクハイリターン
【スクリプト】を記述したものをリストという。
タイプに『常時/リスト』と書かれている【スクリプト】は、
リストに記述した段階から効果を発揮する。
その他、タイプに『戦闘』と書かれていた場合は戦闘時にしか使えず、『行動』『調査』なども同様である。
なお、これらの【スクリプト】を記述できるのは、『イデアレコード』を含む君の蔵書の数+2までだ。
つまり初めは3つまでということになる。
本の修繕をすることで、記述できる【スクリプト】の数も増えていく。
だが、大半の【スクリプト】はリストにあるだけでは使えない。
リストの中から、本の中に持ち込む【スクリプト】を前もってセットしておく必要がある。
セット出来る【スクリプト】の数は、
シナリオに設定されているレベルと同じ数までだ。
なお、【スクリプト】の一覧は別紙を参照してほしい。
【スクリプト】にも【イデア】が存在している。
【イデア】が自分と一致している【スクリプト】は、難易度が1低いものとして扱う。
当該の【スクリプト】をリストに記述する時は、
難易度を1下げて記述しよう。
Ⅳ プロフィール
最後に、君の【プロフィール】を記述しよう。
名前、年齢、性別、身長や体重。
どのような性格で、どのような経歴を持つのか。
好きなものや嫌いなもの、口癖や口調など。
それらを好きな範囲で決めてほしい。
なお、『リスペル図書館』はメインとなる舞台が本の中であり、リスペル図書館自体もありとあらゆる世界・時空に繋がっている場所だ。
つまり【修繕者】には、世界観や時代背景などの制約が一切ない。
さらに、同じ【修繕者】が全く違う本、つまりは世界や時代に行くことが可能なのである。
わくわくして来ないだろうか?
さて、ここまで記述できていれば、修繕者の『イデアレコード』は完全だ。大切に君の書架にしまっておこう。
――そして、ここからが君の物語の始まりだ。
セッションの進行
ここまでで『君』がどんな人物か、よく理解できた と思う。
それでは、ここから君が遊ぶ『セッション』の話をしていこう。
Ⅰ シナリオの概要
『リスペル図書館』では大抵、【修繕者】が誰かから依頼を受けて、本の中に自らの精神体を移動させるところから話が始まる。
事前にプレイヤーに知らされる概要は以下の通りだ。
レベル
……レベルとは、本自体の耐久力のようなものだ。
【修繕者】がセットできる【スクリプト】の数は
レベルと同じ数までとなる。
イデア / カラー
……シナリオに設定されている【イデア】および
【カラー】は、判定で使う確率がとても高い。
シナリオタイプ
……シナリオタイプは、転移型・憑依型の2種類。
転移型では、【修繕者】は【修繕者】の姿形のまま
物語に登場できるが、
憑依型では物語内で別の姿形・名前になる。
本のタイトル
……修繕を依頼される本のタイトルだ。
依頼者
……本の修繕を依頼した人物であり、【修繕者】に報酬
を払う人物である。
本の中に入るという特性から、『リスペル図書館』では、ある区切られたひとつのシーンのことをページと呼称する。
実際に、【修繕者】が本の中の登場人物としてどのような活躍をしているかは、修繕中の本にリアルタイムで記載されていくのである。
Ⅱ 判定の種類
『リスペル図書館』で行う何らかの判定は、
必ず【調査】【行動】【抵抗】【特殊】のいずれかに分類される。
【調査】
……現在の状況を精査したり、必要な情報を集めたりする行為を、
【調査】の判定と呼ぶ。
例)周囲に不審な箇所がないか確認する、怪しい人物がいないか探す、
目ぼしい情報がないか検索する など
【行動】
……能動的に身体を使って、その場の人や物などの状況を動かす行為
を、【行動】の判定と呼ぶ。
例)重い物を動かす、物や痕跡を隠す、人に道を尋ねる、
落ちそうな穴を飛び越える など
【抵抗】
……他人や物、天候などからの影響を受けてしまう、受動的な行為を、
【抵抗】の判定と呼ぶ。
例)悪臭を嗅ぐ、凄惨な遺体を見る、強い風によって
吹き飛ばされそうになるのを堪える など
【特殊】
……上記3つに含まれない判定を、総じて【特殊】な判定と呼ぶ。
例)誰かの判定に割り込むタイミングで使用する【スクリプト】など
【調査】【行動】の判定は、任意で放棄(パス)することが出来る。
しかし、【抵抗】の判定については、ページに登場している限り、判定を放棄することが出来ない。
これらの判定は、以下のように表記する。
【判定:調査】難易度 4 / カラー:青
【判定:抵抗】難易度 7 / イデア:火 / カラー:白
それぞれの判定には【イデア】や【カラー】が設定されている。
シナリオに特に記載がない場合、
判定に使用する【イデア】および【カラー】は、シナリオ自体に設定されたものと同じになる。
判定の【イデア】および【カラー】が自分のものと一致していない場合、
10面ダイスを1つ振り、難易度以上の出目が出れば、判定は成功だ。
一致している場合、判定に使用するダイスの数が変化する。
以下を参照してほしい。
判定の【イデア】【カラー】がどちらも一致していない
……ダイスの数は1つ(1b10)
【イデア】か得意な【カラー】が一致している
……ダイスの数が1つ増える(2b10)
苦手な【カラー】が一致してしまっている
……ダイスの数が1つ減る(0b10)
【イデア】または得意な【カラー】が一致しており、
かつ苦手な【カラー】が一致している
……ダイスの数は±0(1b10)
ダイスを複数個振れる場合、その内の1つでも【難易度】以上の出目が出たら、その判定は成功となる。
なお、誰かの【行動】の対象として選ばれた場合も、対抗手段として
【行動】の判定を試みることが可能だ。
その場合、判定に使用する【イデア】および【カラー】は、先に【行動】をした人物のものと同じになり、判定の難易度は、先に【行動】した人物が出した出目と同じになる。
また、『リスペル図書館』には特殊な出目が存在する。
ダイスの出目で10が出た時、それを【クリティカル】とし、
必ずその判定が成功したものとして扱う。
ダイスの出目がすべて1の時は【ファンブル】とし、
判定が失敗したものとして扱い、さらにCPを1d3損失してしまう。
これは、物語内の何らかの悪い影響を受けてしまったという処理になる。
また、苦手な【カラー】の判定などで、振れるダイスの数が0の場合も、自動的に【ファンブル】として扱う。留意してほしい。
Ⅲ 戦闘中の行動
『リスペル図書館』では本の登場人物等との戦闘が発生する場合がある。
戦闘の際はAPの値を比較し、APが高い順に、攻撃などの【行動】を行うターンを回していく。
まだ自分のターンを行っていない状態を【未行動】、何らかの【行動】を行いターンを終了した状態を【行動済】と呼ぶ。
戦闘に参加している全員が【行動済】になるまでの時間を『1ページ』とする。
戦闘時間 1ページ
【未行動】
……まだ【行動】をしていない状態
【行動済】
……能動的な【行動】を終えた状態
全員が【行動済】になったら、次のページに移行する
自分のターンが回ってきた時に出来る【行動】は、通常の【攻撃】または【待機】、あるいは【スクリプト】や【アイテム】の使用・受け渡しだ。
【攻撃】
……自分の身体または所持物をしようして攻撃する。
判定の【イデア】【カラー】は自分のものと同一。
難易度は一律で3となる。
【待機】
……【未行動】の状態のまま、行動順を最後にする。
(複数人が【待機】を選択した場合、選択した時の順番
と同じ順番でターンが回ってくる)
※ 同一ページで再び【待機】を選択する事はできない。
【スクリプト】の使用
……タイプが『戦闘/攻撃』あるいは『戦闘/行動』の
【スクリプト】は、このタイミングで使用できる。
【アイテム】の使用
……消費型のアイテムを所持している場合、このタイミン
グで使用できる。
【アイテム】の受け渡し
……戦闘中に【アイテム】を含む所持品の受け渡しをする
時は、渡す側・受け取る側のうちどちらかのターン
を使って行う。
戦闘中は、当然ながら、自分が攻撃の対象になることもある。
その際はターンで行う能動的な【行動】ではなく、相手の【行動】に対抗する受動的な【行動】を一つ行うことが出来る。
以下を参照してほしい。
攻撃の【回避】
……攻撃から身をかわす、あるいは攻撃を逸らす。
判定の【イデア】【カラー】は相手のものと同一。
難易度は相手が【攻撃】で出した出目と同一。
攻撃の【防御】
……受ける【ダメージ】を1d6軽減する。
判定の【イデア】【カラー】は自分のものと同一。
難易度は相手が【攻撃】で出した出目と同一。
【スクリプト】の使用
……タイプが『戦闘/行動』の【スクリプト】は、
このタイミングでも使用できる。
【防御】に成功した場合は受ける【ダメージ】を軽減するだけだが、
【回避】に成功した場合は【ダメージ】を喰らわない。
代わりに【回避】をするためには、相手の土俵に入る必要があるのだ。
さて、次は【ダメージ】について説明しよう。
通常攻撃が成功し、相手が【回避】や【防御】に失敗した時、相手はHPを1d10損失する。
これが【基礎ダメージ】だ。
【基礎ダメージ】に対して、【アイテム】や【スクリプト】の効果を適用し、実際に相手に与える数値を算出する。
こうして算出した数値を【ダメージ】と呼ぶ。
Ⅳ 物語の【違和感】
本が破損してしまった原因を探し出し、それを取り除くのが【修繕者】に依頼される仕事だ。
では、その原因はどうやって探せばいいのか?
その答えが【違和感】である。
【修繕者】は本の中に入り込むことで、自らの実体験として【違和感】を覚えることがある。
破損の原因は、【違和感】を追った先に必ず存在している。
【違和感】を手掛かりに、破損の原因を特定し、それを取り除く。それが君達【修繕者】の為すべきことであり、役割である。
勿論、TRPGというゲームである以上、最終的な選択は君の自由だが。
【違和感】
……本の破損の原因に直接的な関わりがある情報。
【違和感】を辿って行けば、自ずと破損の原因に行き
当たる。
破損の原因とはつまりシナリオの核心であり、基本的にはクライマックスとなる部分だ。
この原因を特定し、取り除くことが、【修繕者】に依頼される内容である。
それでは――『本の破損の原因を取り除く』とは、どういった行為を指すのだろうか?
シナリオによって、それは特定の物品の破壊であったり、特殊な【スクリプト】の使用であったり、あるいは登場人物の殺害が必要な場合もある。
また、原因は特定できたものの本の中からはどうすることも出来ず、外に助けを求める必要がある場合もあるだろう。
本の中の君達の行動はすべて実際に本に著され、それを通して、依頼者や優秀な補佐が君達をサポートできる体制を整えている。
シナリオに指定がない限り、本の外への連絡はいつでも行えるのだ。
ただし、本の外から聞こえる声は、君達にしか聞こえない。元から本の中に住んでいる物語の登場人物には、本の外という概念がなく、理解は出来たとしても、直接的に認識することが出来ない。
我々が神や仏という存在を伝承でしか認識できないのと同じである。
Ⅴ イデアレコード
君の情報が全て記載されている『イデアレコード』は、本の世界において君自身を守る役割を持つ。
逆に言えば、『イデアレコード』の耐久力とも言える君のCPが0に近付くほど、君の存在は不安定になってしまう。
CPが大きく損なわれるような出来事に直面した時、『イデアレコード』の破損チェックの判定を行う。この判定は【抵抗】の判定である。
CPが大きく損なわれるような出来事とは、例えば以下のようなことだ。
他者の死を目撃する
……CPの損失量は1d10
凄惨な遺体を目にする
……CPの損失量は1d10
【修繕者】の死亡をなかったことにする
……CPの損失量は1d10+10
こうした状況でCPが1度に10以上減ってしまった時や、そうでなくとも「【修繕者】が強いストレスを受けた」とGMあるいはPLが判断した時、
破損チェックを行う。
『イデアレコード』の破損チェックは、CPの現在値の10の位を難易度とし、【イデア】【カラー】が一致していないものとして判定を行う。
判定に成功してしまった場合、それは【修繕者】に『イデアの揺らぎ』が発生しているということだ。
『イデアレコード』の破損によって、君の存在理由や認知能力、身体や精神に悪い影響が出てしまったということになる。
どのような『揺らぎ』が表出してしまっているか、表を参考に、任意またはダイスで決定しよう。
『揺らぎ』の一覧は別紙を参照してほしい。
また、破損チェックには至らないがCPを損失する出来事もある。
例えば、【スクリプト】の使用にもCPを消費する。
【スクリプト】の使用
……CPの損失量は1d3
さらに、『イデアレコード』には『イデアの解放』という、
1シナリオ中1回だけ使える奥の手が存在する。
『イデアの解放』は、自分の【イデア】に対応している【スクリプト】の使用時に宣言できる。
『解放』を宣言すると、直ちにCPを3損失するが、その【スクリプト】を【クリティカル】で成功させたものとして扱う。
『イデアの解放』
……CPの損失量は3固定。
【イデア】に対応している【スクリプト】を、
クリティカルで成功したものとして扱う。
1シナリオに1回だけ使用できる。
ただし、CPが0になると、『イデアレコード』が破損しきってしまい、
【修繕者】は元に戻れなくなってしまう。
これは【修繕者】のロスト、あるいは完全なNPC化を意味する。
CPは【修繕者】にとっては最重要となるリソースだ。
使い過ぎないように注意しよう。
Ⅵ 依頼の報酬
依頼を終えた時、つまりシナリオをクリアした時、
その成否にかかわらず依頼主から報酬として【写本】が贈られる。
【写本】は【修繕者】に割り当てられた書架に収めることが出来る。
書架の蔵書量によって、【修繕者】がリストに記述できる【スクリプト】の数が決まる。
つまり、シナリオをクリアすればするほど、扱える【スクリプト】の幅が広がっていくのである。
【写本】
……【修繕者】が実際に 経験した物語の写本。
書架に収めることが出来る。
また、この【写本】はいつでも他者に譲渡することが出来る。
その場合、リストの【スクリプト】の数は書架の蔵書量を参照するため、譲渡された側の【修繕者】のリストのみが増え、譲渡した側の【修繕者】のリストは渡した【写本】の数だけ減る形になる。
シナリオクリアの恩恵は、勿論これだけではない。
依頼を通して、あるいは物語そのものを通して、【修繕者】にはいくらかの心境の変化が生じたかもしれない。
【修繕者】はシナリオ中に成功した判定を参照し、その判定の【カラー】からどれか一つを選び、自分の【カラー】に追記するか、元々記述されていた【カラー】とそれを入れ替えるかを選択することが出来る。
この時、得意な【カラー】として追記または入れ替えを行っても良いし、苦手な【カラー】として それを行っても良い。
【カラー】の追記/入れ替え
……シナリオ中、判定に成功した【カラー】を1つ選び、
その【カラー】を得意または苦手なものとして追記
あるいは既存の【カラー】との入れ替えが出来る。
さて、依頼を終えたということは、本から帰還し、十分な休息をとる時間が出来たということだ。
【修繕者】のHP、CP、APに損失があった場合、いずれも全回復する。
なお、この回復に要する期間はステータスによって異なる。
以下を参照してほしい。
HPの回復
……本から帰還した後、1時間~3時間程度で回復する。
CPの回復
……本から帰還した後、1晩~丸3日程度で回復する。
他者に修繕してもらうことも可能。
APの回復
……本から帰還した後、丸1日程度で回復する。
CPの回復とともに『イデアの揺らぎ』も完全に回復する。
なお、他者に『イデアレコード』を修繕してもらうには、通常のシナリオと同じように【修繕者】に『イデアレコード』に入ってもらい、調査及び修繕を行ってもらう必要がある。
それを受け入れ実行できるかどうかは、それこそ【修繕者】の性格によるところだろう。
リスペル図書館とは
ここまではシステムとしての『リスペル図書館』を話してきた。
ここからは、舞台としての『リスペル図書館』に触れていこう。
もし君がリスペル図書館のシナリオを書いてみたいと思うなら、この項は大いにその参考になるだろう。
Ⅰ 図書館の住人
まずはリスペル図書館の館長を、
そして、その優秀な補佐である黒猫を紹介しよう。
No Image
館長 / アルケー
「皆さんの旅路に、良い結末の在らんことを」
イデア:空
カラー:【得意】白、紫、青、赤 【苦手】黒
固有スクリプト:【ホロフロノスの扉】
……修繕が必要な本を手元に喚び出す。
穏やかな物腰の、気品のある白い少女。
年齢不詳。真偽は不明だが、彼女は自身について「図書館とともに生まれた」と語る。
彼女の名は「アルケー」。
それは万物の根源であり、始まりを意味する。
『リスペル図書館』に破損した本が集められるのは、館長である彼女の【スクリプト】によるものだ。
勿論、例外はある。外部から本が持ち込まれるケースもあれば、本自体が意思を持って図書館にやってくるケースもあるだろう。
そして図書館の目的は、ただ一つ。失われゆく物語の修繕と保全である。
『保全』の部分を担うのは館長たる彼女だ。
これは、本は勿論、本の外にある【修繕者】の肉体の保護も含まれる。
『修繕』については無論【修繕者】が担うわけだが、当然ながら丸投げと言うわけではない。
図書館館長の補佐である『彼』は、主に【修繕者】のサポートを担う。
ロゴス
「オレ様がついてんだ、
大船に乗ったつもりでいろよ」
イデア:火
カラー:【得意】緑、橙、黒 【苦手】白
固有スクリプト:【salvare(サルワーレ)】
……本の中にいる修繕者を捉え、
図書館に引き戻す。
図書館で飼われている(?)喋る猫。オス。
口は悪いが面倒見がよく、本の外から【修繕者】をサポートしてくれる存在。
図書館内の役職は『館長補佐』とされているが、アルケーに付き従っているわけではないようだ。
No Image
『翻訳』とサルベージ、それがロゴスの役割だ。
【修繕者】をリアルタイムで捕捉し外にいる人物に状況を伝え、
必要に応じて【修繕者】への呼びかけや、図書館への引き戻しを行う。
そしてロゴスの目的もまた、アルケーと同じく『本の保全』だ。
しかし、その本質は僅かに違っている。
アルケーは本から得られる情緒や読後感、つまり『物語』を。
ロゴスは本に書かれている知見や発見、つまり『知識』を重視している。
同じ目的を持つ同志ではあるが、この機微が、【修繕者】への依頼やその成否に対して表れることもあるだろう。
――勿論、リスペル図書館で過ごす職員は彼女らだけではない。
この図書館にも【司書】という重要な役職が存在している。
【司書】は本に対して、時には館長に並ぶ権限を持つ。
【修繕者】への依頼や彼らのサポートもそれに含まれる。
そして『リスペル図書館』では、この【司書】を任意で制作できる。
GM専用のNPCとして、あるいはシリーズ物のシナリオの重要なフックとして、シナリオ制作者は【司書】を創造できるのだ。
司書
イデア:自由
カラー:【得意】自由 【苦手】自由
固有スクリプト:自由
……司書は固有のスクリプトを一つ修得している。
司書はシナリオで定めてもよいし、定めなくてもよい。
シナリオ側では『自由(GMに任せる)』というのも一つの手だ。
【司書】の作成は、【修繕者】の作成と同じように行う。
また【修繕者】のキャラクターを【司書】あるいは【代理司書】として
扱っても構わない。
【司書】と【代理司書】は、キャラクターが固有の【スクリプト】を修得しているかどうか、また【修繕者】としても扱えるかどうかという違いがある。
司書
……【修繕者】としては扱えない。
固有の【スクリプト】を持つ。
代理司書
……【修繕者】のままなることができる。
固有の【スクリプト】がないため、館長やロゴス、
あるいは【司書】からのサポートが必 須となる。
【司書】が持つ固有の【スクリプト】は様々だ。
例えば【修繕者】の位置が常に把握できるようなものであったり、本の中と外を繋ぐ『扉』を出現させるものであったり……
そういった【修繕者】のサポートが出来る【スクリプト】を、【司書】の作成に当たっては自由に決めて構わない。
【司書】がその【スクリプト】を得た経緯や、館長やロゴスに従って図書館に貢献し続けている理由も様々だ。
例えば元【修繕者】で、間一髪のところでロゴスにサルベージされ、彼に心から感謝し心酔しているのかもしれない。
そういった経緯や理由も、勿論自由に決めてほしい。
それこそがきっと『リスペル図書館』の奥行きを広げ、豊かにしてくれるのだろうと思う。
Ⅱ 何故本は破損したか?
『リスペル図書館』のシナリオにおいて最も大事な要素とは何だろうか?
いくつか挙げられるが、間違いなく本の【破損の原因】はその一つだ。
【破損の原因】とは【修繕者】が物語の中で探し出すものであり、それに繋がる情報を【違和感】として出さなければならない。
それはミステリーにおける犯人であり、トリックであり、ファンタジーにおけるヴィランであり、アクションにおける敵のボスにあたる。
『リスペル図書館』のシナリオを制作するにあたっては、
1、【破損の原因】を決め
2、それによって物語で今【何が起こっているか?】を明確化し
3、最終的な【解決方法】を決める
という手順を推奨している。が、順番は前後しても一向に問題ない。
【破損の原因】
……【修繕者】が取り除くべき目標。
情報としての【違和感】はこれに繋がっている。
【何が起こっているか?】
……本の中に入った【修繕者】が真っ先に体験する
出来事であり、打破すべき現状。
本自体の状況も、これに含まれる。
【解決方法】
……【破損の原因】を取り除く実際的な方法。
では、本の【破損の原因】は、どのようなものが考えられるだろうか。
シンプルな経年劣化や乱丁、落丁、何者かによって黒く塗りつぶされてしまった、火事などによって燃えてしまった。
物理的なアイデアだけでも沢山あるが、人為的・感情的なものであれば、
作者の未練や怨念、作者が続きを書けなくなってしまった、物語へ遺恨や執着を持つ人物がいる、登場人物が何らかの気付きを得てしまった。
などなど、【破損の原因】は多岐に渡り、どのようなものを設定するかは自由である。
そして【何が起こっているか?】や【解決方法】は、【破損の原因】に即したものでなくてはならない。
例えば黒く塗りつぶされてしまった本であれば、【解決方法】は黒くなってしまった建物をカラフルに塗り直すことかもしれないし、何らかの概念を失くしてしまった登場人物にそれを教えることになるかもしれない。
逆説的に、例えば【解決方法】で『登場人物との戦闘』を設定する場合、【破損の原因】に登場人物の明確な意思が絡んでいることになるだろう。
ただし、そういった【破損の原因】には一つだけ制約がある。
物語の登場人物は本の外の事を知覚できず、ゆえに自らの不幸を嘆くことは難しいということだ。
登場人物が自らの境遇に気付くためには、外部からの接触――それこそ【修繕者】とか――が必須になるだろう。
破損した本が図書館にやってくるのは、それが破損した後のことだ。
その本は元々人を引きずり込む呪いの書だったのかもしれないし、あるいは【修繕者】ではない第三者が図書館の外にいて、その人物が本に何か『仕掛け』をしたのかもしれない。
破損する前の本に何があったのか。元々はどんな物語だったのか。
それを想像/創造するのもまた、『リスペル図書館』のシナリオを書く上では楽しみの一つである。
Ⅲ 元の物語について
『リスペル図書館』の主な舞台は、破損してしまった物語の世界だ。
であれば当然、破損する前の、元の物語が存在している。
『リスペル図書館』のシナリオ制作において、この『元の物語』は、必ずしも作り込んでおく必要はない。
シナリオにどの程度『元の物語』の原型が残っており、その重要性がどの程度であるかは、シナリオによって違うからだ。
しかし、この『元の物語』という概念は、物語の外――【修繕者】に本の修繕を依頼する依頼者、館長あるいは司書に関わってくる可能性がある。
例えば修繕を依頼されたその本は、司書にとっては思い入れのある本かもしれない。好きなシリーズの中の一つかもしれないし、作者に特別な感情を抱いていた可能性もあるだろう。
あるいは、【修繕者】自身がその本に関わりがあるパターンも考え得る。
例えば実はその本を書いたのは【修繕者】で、だからこそ館長や司書は【修繕者】にその本の修繕を依頼したのだ。
このように世界観の構築素材としても、『元の物語』を考えておくことは大切なのである。
元の物語
……リスペル図書館にやってくる前の本は、
どのような姿で、どのような内容だったのだろう?
修繕を終えた物語は、それと同じなのだろうか?
――全く同じ、ということは少ないだろう。
何故なら『リスペル図書館』は、TRPGだからだ。
元の物語との関係
……依頼者や【修繕者】のモチベーションとして、
修繕する本やその作者への関係性を設定しておく
ことは大変望ましい。
【修繕者】に設定を付与する場合、
【修繕者】のハンドアウトとしてPLに事前に渡そう。
プレイヤーへの事前情報としてハンドアウトを渡す場合、
『リスペル図書館』では2種類のものが考えられる。
1つは、ここまで記述してきたように、『元の物語』が依頼者や【修繕者】に何らかの関わりが設定されている場合だ。
そしてもう1つは、シナリオタイプが憑依型の場合である。
シナリオタイプ
……シナリオタイプは、転移型・憑依型の2種類だ。
転移型
……【修繕者】は、【修繕者】の姿形のまま、
物語の登場人物になる。
世界観の整合性などはあまり気にしなくてよい。
憑依型
……【修繕者】に登場人物が割り振られており、
物語内で【修繕者】はその人物になる。
世界観が統一しやすい反面、【スクリプト】の制限
が必要になる場合もある。
憑依型のシナリオでは、【修繕者】はシナリオで定められたキャラクターとして振る舞わなければならない。
そのキャラクターには、すでに人間関係や身を置く環境があり、過去から現在までの設定、場合によっては口調などまで定められているだろう。
【修繕者】がそれらを完璧に把握できている必要はないが、【修繕者】を通してそのキャラクターを演じるプレイヤーにはそれらの情報が必要だ。
よって、憑依型のシナリオでは、ハンドアウトとしてキャラクター情報を渡すことを推奨する――勿論、それも絶対ではない。
TRPGプレイヤーとして、卓を囲む皆が楽しめるのであれば、それ以上に求めるものなどないのである。
Ⅳ シナリオの書き方
以下は『リスペル図書館』におけるシナリオの書式的な項目である。
判定などを除き、「この書き方でなければいけない!」ということは全くないので、ぜひ見やすさ・分かりやすさを求めて調整していってほしい。
判定については、
【判定:(判定の種類)】難易度 / イデア・カラー
というように表記が定まっている。
判定の表記例
【判定:調査】難易度 4 / カラー:青
【判定:抵抗】難易度 7 / イデア:火 / カラー:白
また、【調査】や【抵抗】など、『リスペル図書館』で固有の意味を持つ
単語は【】で囲って表記することを推奨している。
【修繕者】もそうなのだが、代表的なものとして【違和感】が挙げられるだろう。
『リスペル図書館』で【違和感】と表記された時、それは文字通りの意味ではなく、『破損の原因に繋がる重要な情報』を意味する。
固有の意味を持つ単語
【修繕者】
……主にプレイヤーのキャラクターを指す。
【イデア】
……人や物の性質を5つの元素で表したものだ。
【カラー】
……9種類の特色、物語のジャンルを示す。
【スクリプト】
……『リスペル図書館』のキャラクターが扱うワザ。
【魔法】
……【イデア】を参照し【ダメージ】に倍率を与える
【アイテム】
……シナリオや【スクリプト】で定められた道具。
【プロフィール】
……システム固有でないキャラクターの設定部分。
【調査】【行動】【抵抗】【特殊】
……それぞれ判定の種類を指す。ダイスを振ろう。
【未行動】【行動済】
……戦闘時、そのページで【行動】をしたかどうか。
【攻撃】【回避】【防御】
……戦闘時にする【行動】だ。ダイスに祈ろう。
【ダメージ】
……基本的には、HPを損失すること。
【違和感】
……プレイヤーにとって最も重要な情報。
【写本】
……シナリオを遊んだ証。たくさん飾ろう。
【司書】【代理司書】
……シナリオやGMの、大事なNPCまたはPCだ。
『リスペル図書館』の大きな特徴として、
・同じ【修繕者】で全く違う時代/世界の作品を遊べる
・いろんなシナリオで遊ぶことが【修繕者】の強化に直結する
・しかも、シナリオで遊んだ証を【写本】という形でもらえる
というものがある。
特にプレイヤーとして嬉しいのは最初の点だろう。『リスペル図書館』であれば、世界観や時代に囚われることなく、お気に入りのキャラクターで遊び倒せるのだ。
しかもキャラクターの作成はかなり簡単な部類なのである。
だが、この嬉しいポイントを最大限に活かすためには、様々なシナリオが必要不可欠だ。
もし『リスペル図書館』という世界を少しでも良いと思って頂けたなら、ぜひ君の力を貸してほしい。
――TRPGとは、人と人とが協力して創り合うゲームなのだから。
あとがきQ&A
やっとまとまった~~~~!!!
後書きはQ&A形式でフランクに行くぞ!!!
ということで質問大募集中です!!!!!!
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